東京工業大学
『サイレントボイスとの共感』地球インクルーシブセンシング研究拠点

東京工業大学
『サイレントボイスとの共感』
地球インクルーシブセンシング研究拠点

研究開発テーマ

地球インクルーシブセンシング社会実装

動物のサイレントボイスとの共感

 「社会と自然のつながり」では、豊かな共存社会実現のために自然からの恵みである食の倫理的生産・消費が必須であり、 たんぱく質の供給源として重要な畜産においてはアニマルウェルフェア(AW)の推進が急務です。 経済面や資源循環面で大きなインパクトを有する牛と、生産者・消費者・里山との「つながり」を深め、倫理的生産・消費を推進する仕組みを構築します。

未来の牧場

未来の牧場


コンセプト動画「ミライの畜産」をご覧ください。



『場』のサイレントボイスとの共感

 「人と社会の間」ではICT技術の急拡大とグローバル化の一方、コミュニケーションの脆弱化が問題となっており、寛容な共存社会実現のために、多様な人々の共感・共創が醸成することが重要な課題です。

 集団におけるコミュニケーションの特徴を可視化することで、「つながり」への気づきと学びを促し、多様な人々の相互理解を支援する仕組みを構築します。

コミュニケーションの見える化 SyncViewer

大気のサイレントボイスとの共感

 「人と自然のつながり」では、世界中で多くの人命が落雷により失われているという問題があり、持続的な地球と共生していくためには、雷の発生を事前に予測し避難やバックアップ等の行動に繋げるが重要です。 小型・低コストのグラフェン電界センサで大気の電界を計測し、多地点の観測データをAI解析と組み合わせた雷・自然災害予測システムを社会実装することにより、安心安全な共存社会を実現します。

地球インクルーシブセンシング基盤実装

ゼロパワーIoT/AIエッジデバイス

 センサデータをネットワークエッジにてAI処理を可能とするゼロパワーIoTエッジデバイスを開発します。

  • 超低消費電力不揮発性メモリ・ロジックを開発し、待機時と動作時の電力を削減
  • IoTエッジ上にてAI処理を行う低消費電力スマートセンシングプロセッサ
  • ゼロパワーIoT/AIエッジデバイス

    超低消費電力不揮発性メモリ・ロジック

     IoTエッジデバイスには、待機時と動作時電力の削減が必要です。その待機時電力削減には不揮発メモリ・ロジック技術により、また動作時電力削減には低電圧化技術にて実現します。 そこで、HfO2強誘電膜による低電圧動作強誘電体不揮発メモリの実用化を目指します。

    IoTエッジAIスマートセンシングプロセッサ

     エッジ型デバイスに特化した機械学習処理を行います。FPGAをターゲットとしたエッジ型デバイス処理は実現し、特に1ビットでディープラーニングを実現する技術優位性があり、GPU、CPU、DSPと比較して高速・低消費電力化を達成しています。 IoTエッジデバイスに搭載可能な低消費電力プロセッサ上にて、センサデータのAI処理が可能なアルゴリズムを開発し、実証します。


    超高感度スマートセンサ

     様々なサイレントボイスに耳を傾けるために、次のセンサを開発しております。

  • テラヘルツセンサ
  • テラヘルツ波は、紙、プラスチック、半導体、生体高分子、水などの透過率が異なること、ミリ波より波長が短く計測対象の必要十分な空間分解能を持っていることから、様々な計測が可能です。
    食物のリアルタイム水分モニタリング、危険物の検知、異物混入防止検査、ICチップ検査等の応用が期待されています。

  • ダイヤモンドセンサ
  • ダイヤモンドセンサは、空間分解能がナノメートルからミリメートルまでの幅広い領域で、高い磁気感度を有し、常温で動作することが特徴です。
    タンパク質の構造解析(ナノメータ領域)、ドラッグデリバリや免疫検査に適用される細胞計測(サブミクロン領域)、医用・食品・構造物の非侵襲計測(ミクロン領域)への応用が期待されます。

  • グラフェンセンサ
  • グラフェンは炭素からなる原子一層分の厚みの二次元材料であり、優れた電気特性を有していることで知られています。 グラフェンをチャネル材料に用いた電界効果型のセンサは、電界に反応して、電気特性が変化することから高感度な電界センシングへの応用が検討されています。 また、グラフェン気層センサによる、ppbレベルのVOCガスや生体ガスのセンシングが期待されます。