東京工業大学COIシンポジウムを開催
10月20日午後、大岡山キャンパスのレクチャーシアターとサテライト会場の百年記念館で、東京工業大学COIシンポジウム2015を開催しました。 これは、文部科学省・科学技術振興機構が進める「センター・オブ・イノベーション(COI)プログラム」のビジョン2が掲げる「豊かな生活環境の構築(繁栄し、尊敬される国へ)」の一環として、研究を進めてきた成果を報告するものです。 今回は、東京工業大学『以心電心』ハピネス共創研究推進機構が主催し、日本経済新聞社に後援いただき、約220人が参加しました。
シンポジウムでは、”『以心電心』ハピネス共創社会の実現に向けて”をテーマとして、皆が多様な絆で結ばれ、共感の輪が広がる社会(ハピネス共創社会)を目指し、 世代・文化・言語の違いを超えて真意と感情を伝える『以心電心』コミュニケーションサービス実現をめざして進めている研究開発活動を中心に説明しました。 今回は、専門家や研究支援者のみならず、広く一般からも参加者を募り、多くの方々に聴いていただきました。
メイン会場のレクチャーシアター(左)とサテライト会場の百年記念館(右)
メイン会場のレクチャーシアター(左)とサテライト会場の百年記念館(右)
最初に、三島良直学長の開会挨拶に続いて、文部科学省川上伸昭局長、横田 昭COIビジョン2ビジョナリーリーダーから来賓挨拶をいただき、 イノベーションの必要性と東京工業大学の本機構への期待が寄せられました。
挨拶をする三島学長(左)、文部科学省川上局長(中)、横田ビジョナリーリーダー(右)
挨拶をする三島学長(左)、文部科学省川上局長(中)、横田ビジョナリーリーダー(右)
基調講演では東日本電信電話株式会社 代表取締役山村雅之社長と本学の池上彰教授が登壇しました。 山村社長は、加入電話やインターネット時代の経過を述べ、これからは一企業でできることは限界があるため、多数の企業や自治体が協力し、新たな産業の創出や地域社会の課題解決が成されるだろうと述べられました。 また、池上教授は、これまでの人類の歴史の変換点では科学技術が大きな役割を果たしたこと、そしてそれは現在のシリア難民問題も同様で、 彼らが持つスマートフォンが彼らの行き先や運命を決めている事実の指摘し、一堂思わずなるほどと納得してしまいました。
基調講演をする山村東日本電信電話会社社長(左)と、池上教授(右)
基調講演をする山村東日本電信電話会社社長(左)と、池上教授(右)
憩をはさみ、当COI拠点の基調報告では、秋葉重幸プロジェクトリーダーがプロジェクトの概要を説明し、 小田俊理研究リーダーが現在進めている主要な研究内容について報告しました。
基調報告をする秋葉機構長(左)と小田研究リーダー(右)
基調報告をする秋葉機構長(左)と小田研究リーダー(右)
続いて、当COIの参画企業から、本プロジェクトに対する期待とともに、各企業の考えるこれからの社会についての提言がありました。 KDDI研究所の中島所長は、「快適で安心安全なネットワークサービスを目指して」と題して、セキュリティや臨場感あふれる画像技術、 人とのつながりを強めるコミュニケーション技術について話されました。 富士ゼロックスの戸井本部長からは「Better Communicationを基軸とした富士ゼロックスが目指す新しい社会の姿」と題して、 人をつなげることを社是とした歴史や未来を語り、飯塚ぐるなび副社長は「これからのネットサービス利活用による産業発展の期待」と題して、 ICT進展と会社の発展と同期して生じるセキュリティの課題を指摘し、イノベーションと社会変革について提言されました。
参画企業講演の中島KDDI研究所所長(左)、戸井富士ゼロックス本部長(中)と飯塚ぐるなび副社長(右)
参画企業講演の中島KDDI研究所所長(左)、戸井富士ゼロックス本部長(中)と飯塚ぐるなび副社長(右)
最後に、東京藝術大学の宮廻正明教授から、同じビジョン2に参加している東京藝術大学COI拠点の活動として、 「感動を創造する藝術と科学技術による共感覚イノベーション」について紹介されました。 科学技術を駆使した文化財の共有やメディア研究、ロボットを活用したパフォーミングアーツ、障害と表現研究等幅広い応用分野と、 感動の共有をベースにしたユニークな価値観に、参加者は皆感銘を受けているようでした。
閉会挨拶では、本学の安藤理事・副学長が参加者および講演者、プログラム支援者に謝意を表しました。 そして、今後もイノベーション創造やバックキャスト手法への理解を一層深め、全学を挙げて本プログラムを支援していく決意を述べました。
東京藝術大学のCOI活動を紹介する宮廻教授(左)と、閉会挨拶をする安藤副学長(右)