学修プログラムの概要

 Collegeの学修プログラムは(1)講義系活動と(2)講義以外の活動の2種で構成されている。LSI innovatorの卵に求められる能力を身に着けるため、これら活動を任意に組み合わせながら下記要素についてそれぞれ学修する。

  • A. 集積回路技術を網羅的に理解する幅広い基礎力
  • B. 半導体業界・産業に関する関心と実体理解
  • C. 自分の研究分野(主専門)における深い専門力
  • D. 主専門の周辺領域および異分野領域における専門性
  • E. 技術変遷への深い理解に立脚した将来予測力
  • F. コミュニケーション能力
  • G. リーダーシップ
  • H. 自身の持つ技術や経験を他者に伝承する育成力

 学修の目安として、活動を行った者に対して活動内容に応じたCollegeの「ポイント」を付与する。活動を通じてポイントを蓄積し、学位課程毎に定められたCollegeプログラム修了の認定条件を満たした者には、LSI innovatorの卵としてGreen-niX Collegeが各学位課程に求める研鑽を積んだことを証し、修士課程所属学生にはLevel 2の、博士後期課程所属学生にはLevel 3のIntegrated Green-niX College修了証を授与する。
 なお、Integrated Green-niX Collegeの学修プログラムは、各学生が所属する大学の学位課程カリキュラムとは独立の位置づけである。従って、学生が所属大学の学位課程を卒業・修了するための要件は学位課程カリキュラムの卒業・修了要件のみに基づく。

(1)講義系活動の概要

 Green-niXと関連が深い科目をGree-niX対象科目として規定している。Green-niX対象科目を受講し、単位を取得することで、単位数と同じ数のポイントを獲得することができる。講義系活動を行うことでA~Fの要素を学修することができる。
 Green-niX対象科目としてリストアップされた科目は、自身の所属する大学以外で開講される科目であっても、単位互換制度により履修可能である。これにより得た単位は、所属大学の規定の下、学位課程カリキュラムの修了要件単位数に算入することができる。ただし、GPAへの算入の有無など、他大学科目の成績の取り扱いは所属大学により異なる。また、他大学で開講される科目の履修には事前に所定の手続きを行う必要がある。他大学科目の受講を希望する学生は、自身の所属する各大学のCollege参加条件に記載された手続き方法や単位互換の規定を確認すること。

  • 2024年10月時点における単位互換対象大学は東京科学大学、豊橋技術科学大学、広島大学、明治大学、長岡技術科学大学の5大学である。大学ごとに対象とする学科・専攻等を限定している場合がある。詳細な規定は各大学のCollege参加条件を参照すること。
  • 他大学で開講される講義科目は、実習等を含む特定の科目を除き基本的にオンラインで受講可能である。詳細はGreen-niX対象科目リストの備考欄を確認すること。
  • Green-niX対象科目リストにて「対面開講のみ」と指定されている科目は、開講される現地での講義参加が求められる。
  • 2025年度は、Green-niX対象科目は全て大学院開講科目である。しかし、多くの大学で学士課程の学生が大学院科目を受講できる制度が設定されている。この場合、学士課程在籍中にGreen-niX対象科目を受講し単位取得相当の成績評価を得れば、その段階でCollege活動としてのポイントが取得できる。
     なお、このような先取りの受講は、科目数の制限や、大学での単位は大学院進学後に大学院科目として取得になる等の条件がある場合が多い。いずれも所属大学の学則等を確認すること。また、このような先取り受講が在籍する大学以外の他大学開講の場合の受講や単位互換の適用の可否についても所属大学に確認すること。

(2)講義以外の活動の概要

 講義以外の活動リストに記載された講演会・セミナーの聴講などの活動を実施し、レポート等の指定書類を提出フォームからアップロードすることで、実施内容に応じたポイントを獲得することができる。講義以外の活動を行うことでA~Hの要素を学修することができる。活動種別と学修要素の対応は講義以外の活動リストを参照すること。
 各活動に対応するレポート書式は講義以外の活動リストからダウンロードすることができる。各レポート書式に記載された設問は、Green-niX Collegeとして特に意識して取り組んでほしい事項に対応する。したがって、事前にレポート書式の設問を読み、設問事項を意識しながら各活動に取り組むことを推奨する。なお、レポートの評価は合否のみで行う。合格基準はすべての設問に対して適切に回答されていることであり、分量は問わない。Integrated Green-niX College運営委員会にて承認されたポイント数はレポート提出毎に提出者へ通知する。
 また、大学によっては、これら活動の実施により所属大学カリキュラムの単位を取得できる場合がある。その場合は、所属大学カリキュラムの単位取得とIntegrated Green-niX Collegeのポイント獲得を重複して申請することができる。

  • 講演会やセミナー等の多くはオンラインやサテライト会場で受講できる。しかし、講演後の討論会や懇談会など、一部のセッションは対面参加に限定される場合がある。

Collegeプログラム修了の認定条件と修了証授与(2025 年11月改訂)

Collegeプログラム修了の認定条件の規定が新しく改訂された。改訂の要点は、

  • 修了Levelの段階が増えた。
  • 修了Levelを在籍課程(学士、修士、博士後期)とは結びつけない。在籍課程に関わらずCollege活動の全期間を通して積み上げる構成とした。
  • College活動の開始は任意の時期とし、学士課程在籍中からも開始できる。
  • 博士の学位取得を評価対象に加えた。
  • 既にCollege活動をしてきた学生に不利益が生じないよう、一定期間の移行措置を設けた。

である。
 改訂後のCollegeプログラム修了の認定条件を以下の表に示す。College活動を通して取得したポイントに応じて、"LSIイノベータの卵"としての研鑽の達成度である"Level"を獲得できる。この認定条件を満たし、修了認定申請をすれば、College運営委員会での審査を通して、当該の"Level"が記載された修了証"Certificate of Completion for Integrated Green-niX College Level @"が取得できる。
 College活動は大学の在籍課程に関わらずいつからでも開始でき、開始後は在籍課程に関わらず取得ポイントを積算できる。旧規定では進学により在籍課程が変わると進学前の取得ポイントがリセットされたが、新規定ではそれは無くなった。


修了Level 認定条件 備 考
Level 12ポイント以上取得
Level 28ポイント以上取得注1)、移行措置参照
Level 320ポイント以上取得注2)、注3)、移行措置参照
Level 4Level 3 取得 かつ 博士学位取得注4)、移行措置参照

注1)

旧規定のLevel 2(修士課程)に相当。新規定では学士課程で取得したポイントも加算されるので早期にLevel 2を達成できる。また、修士課程の途中でLevel 2を取得したあともCollege活動を続けてポイントを増やすことで、次のLevel 3に近づける。

注2)

8ポイント(旧Level 2(修士課程))+ 12ポイント(旧Level 3(博士後期課程))に相当。

注3)

社会人博士学生など、修士課程までの間にCollege活動の機会が無く博士後期課程からCollege活動開始の場合は、社会人としての研鑽や実績を8ポイント相当と評価し(レポート提出などにより)、College活動として12ポイント取得してLevel 3達成とすることも可能。

注4)

博士の学位取得を最高達成度として評価する。ただし学位研究だけでなく幅広い基礎的知見も必要という観点からLevel 3を取得していることを必要条件とする。なお、学位取得時点でLevel 3を取得できていなくとも、College活動を続けて後からLevel 3取得認定条件を満たせればその段階でLevel 4を取得できる。

新規定への変更にあたっての移行措置
 既に旧規定のもとでCollege活動を行って来ている学生、旧規定のもとで修了証を取得している学生に不公平が生じないよう、以下の移行措置を設ける。

◎2025年度現在博士後期課程に在学中の学生
 ・次の二つの基準(1)(2)のどちらかを任意に選択できる。

(1)

修士課程で取得していたポイントを加算して20ポイント取得することでLevel 3を取得する。なお、修士課程中にポイント取得可能な活動実績がありながらポイント取得申請していなかった活動があれば、それに対して遡ってポイント取得申請でき、その取得ポイントも加算できる。

(2)

修士課程でのポイントを加算することなく、博士後期課程のみで12ポイント取得することでLevel 3を取得する。(旧規定を適用することに相当)

◎2025年度現在修士課程に在学中の学生
 ・学士課程在学中にポイント取得可能な活動実績があれば、それに対して遡ってポイント取得申請できる。
 ・今後、博士後期課程に進学した場合は、上記の博士課程在学中の学生に対する措置を同様に適用する。

◎これまで旧規定のもとでLevel 3修了証を取得した学生
 ・博士の学位を取得していることを確認し、Level 4の修了証を交付する。

 以上の移行措置は、現在修士課程あるいは博士後期課程に在籍している学生に対して適用し、2026年度以降に入学の学生には適用しない。


講義系活動の概要

 各大学のGreen-niX対象科目リストを以下の表に示す。他大学科目の受講を希望する学生は、各大学の時間割対応表と、各大学のCollege参加条件に記載された手続き方法・単位互換の規定をよく確認し履修計画を立てること。

Green-niX対象科目リスト

東京科学大学(シラバスサイト: https://www.ocw.titech.ac.jp/index.php)開講時期:前期(1Q、2Q)、後期(3Q、4Q)

修士課程用(クリックすると表示されます。)

講義名 開講元 開講
時期
開講曜日・時間


備 考
高周波計測工学工学院・電気電子コース2Q集中講義(夏季休暇)J2・対面開講のみ
・最大受講人数40名
・学研災:加入
・学研賠:推奨
磁性・スピン工学特論工学院・電気電子コース3Q火5-6E1
VLSI工学第一工学院・電気電子コース1Q月1-2、木1-2E2
ナノデバイス材料解析・プラズマ加工特論工学院・電気電子コース2Q月1-2、木1-2E2
知的情報資源の活用と特許工学院・電気電子コース4Q火3-4J1
半導体メモリ特論工学院・電気電子コース3Q木7-8E1
Technology Analytics on Advanced LSIs工学院・電気電子コース2Q集中講義(夏季休暇)E2・対面開講のみ
・最大受講人数20名
集積Green-niX特別講義第一工学院・電気電子コース1Q火7-8E1
集積Green-niX特別講義第二工学院・電気電子コース3Q火3-4、金3-4E2
VLSIレイアウト設計工学院・情報通信コース4Q火3-4、金3-4E2
セラミックス薄膜工学特論物質理工学院・材料コース1Q火1-2、金1-2J2
機能デバイス特論物質理工学院・材料コース2Q月3-4、木3-4E2

豊橋技術科学大学(シラバスサイト: https://kyomu.office.tut.ac.jp/portal/public/syllabus/

修士課程用(クリックすると表示されます。)

講義名 開講元 開講
時期
開講曜日・時間


備 考
LSI Process 1電気・電子情報工学専攻前期木2-2E22024年度は実施しない
集積電子システム論電気・電子情報工学専攻前期月5-5J2
電子デバイス論電気・電子情報工学専攻前期火2-2J2
センシングシステム電気・電子情報工学専攻後期水1-1J2
集積Green-niX基礎I電気・電子情報工学専攻通年集中講義J1・他大学からはコース(6)のみ受講可
・対面開催のみ
・最大受講人数9人
・学研災:加入
・学研賠:任意

博士後期課程用(クリックすると表示されます。)

講義名 開講元 開講
時期
開講曜日・時間


備 考
集積Green-niX基礎II電気・電子情報工学専攻通年集中講義J1他大学からはコース(6)のみ受講可
・対面開催のみ
・最大受講人数9人
・学研災:加入
・学研賠:任意
先端マイクロエレクトロニクス特論I電気・電子情報工学専攻前期金2-2J2
先端マイクロエレクトロニクス特論II電気・電子情報工学専攻後期月1-1J2

広島大学(シラバスサイト: https://momiji.hiroshima-u.ac.jp/syllabusHtml/) 開講時期:前期(1T、2T)、後期(3T、4T)

修士課程用(クリックすると表示されます。)

講義名 開講元 開講
時期
開講曜日・時間


備 考
LSI集積化工学先進理工系科学専攻量子物質科学プログラム1T木1-4E・J2
エレクトロニクス概論先進理工系科学専攻量子物質科学プログラム1T水3-4、木7-8E2
アナログ集積回路A先進理工系科学専攻量子物質科学プログラム4T月1-4J2
半導体メモリ技術概論先進理工系科学専攻量子物質科学プログラム4TJ2
電子デバイス物理先進理工系科学専攻量子物質科学プログラム3T月1-4J2対面開講のみ
隔年開講のため2025年度は非開講

明治大学(シラバスサイト: https://www.meiji.ac.jp/sst/grad/syllabus/index.html

修士課程用(クリックすると表示されます。)

講義名 開講元 開講
時期
開講曜日・時間


備 考
半導体ナノテクノロジー特論理工学研究科・電気工学専攻秋学期月・2J2対面開講のみ

長岡技術科学大学(シラバスサイト: https://www.nagaokaut.ac.jp/kyoiku/jyugyou/jyugyou_kamoku/jyugyou_kamoku.html

修士課程用(クリックすると表示されます。)

講義名 開講元 開講
時期
開講曜日・時間


備 考
バイオエンジニアリング特論大学院工学研究科1学期木・2J/E併用2
生物高分子材料特論大学院工学研究科1学期木・2J/E併用2奇数年度開講
半導体素子工学特論大学院工学研究科2学期木・4J/E併用2偶数年度開講

各大学の時間割対応表

   東京科学大学 豊橋技術科学大学 広島大学 明治大学 長岡技術科学大学
授業時間100分90分90分100分90分
学  期4学期制(1~4Q)2学期制(前期・後期)4学期制(1~4T)2学期制(春学期・秋学期)3学期制(第1、第2、第3)
1コマ目1-2限目:8:50-10:301-1限目:8:50-10:201-2限目:8:45-10:151時限:9:00-10:401時限:8:50-10:20
2コマ目3-4限目:10:45-12:252-2限目:10:30-12:003-4限目:10:30-12:002時限:10:50-12:302時限:10:30-12:00
昼休み昼休み昼休み昼休み昼休み
3コマ目5-6限目:13:30-15:103-3限目:13:00-14:305-6限目:12:50-14:203時限:13:30-15:103時限:13:00-14:30
4コマ目7-8限目:15:25-17:054-4限目:14:40-16:107-8限目:14:35-16:054時限:15:20-17:004時限:14:40-16:10
5コマ目9-10限目:17:15-18:555-5限目:16:20-17:509-10限目:16:20-17:505時限:17:10-18:505時限:16:20-17:50

講義以外の活動

 講義以外の活動を以下の表に示す。講義以外の活動でのポイント獲得を希望する者は、提出フォームから評価に必要な書類をアップロードすること。なお、レポートの評価は合否のみで行う。合格基準は、すべての設問に対して適切に回答されていることであり、分量は問わない。

活動名 対応する
学修要素
獲得ポイント数 評価法
講演会・セミナー等の聴講 B, C, D, E, F, G 通常:
0.5ポイント/1講演
初回:
1ポイント/1講演
議論参加:
1ポイント/1講演 加算
Green-niXが指定する講演会等を聴講し、所定のレポート書式にその内容をまとめ、College事務局に提出する。 複数講演からなる講演会の場合は、個々の講演を独立した1講演とみなしてもよい。 この場合は、個々の講演に対して1通ずつレポートを作成し、それぞれ提出フォームよりアップロードすること。 特別措置として、初回の1講演の聴講に限ってポイント付与を多くしている。 また、講演中や講演後でもその講演に関する議論に自ら参加(自ら質問など)した場合は、その議論内容をレポートに含めることで、議論に参加した講演毎に1ポイント追加で獲得できる。

レポート書式:ダウンロード

実習コース等への参加 A, C, D, F 1ポイント/700分
ただし時間は総実務時間とする
Green-niXが指定する実習を中心としたコース・イベントに参加し、所定のレポート書式にその内容をまとめ、College事務局に提出する。 現時点では、広島大学が実施する集積回路作製実習「CMOS実践プログラム」が該当する。 なお、実習を主体とする講義科目の履修は、講義系活動として扱う。

レポート書式:ダウンロード

研究発表(学会・RA報告会等) A, C, F, H 査読(審査)無し:
1ポイント/1発表
査読(審査)有り:
2ポイント/1発表
招待講演:
1ポイント/1発表 加算
受賞:
1ポイント/1発表 加算
学会等で研究発表を行い、該当発表に関するアブストラクトの写しをCollege事務局に提出する。査読(審査)の有/無、および招待講演や受賞等の付加情報を提出フォームの備考欄に記入する。
なお、アブストラクトの写しはページ内に発表した学会・研究会の名称や発表時期などが一緒に印字されているものをコピーにする、あるいはプログラムに当該発表が掲載されている部分のコピーを合わせて提出するなど、当該の発表のアブストラクトであることが確認できるものにする。
また、アブストラクトに相当するものが複数ページからなる出版物(例:電子情報通信学会の技術報告など)の場合は、1ページ目だけでなく該当する発表の文書全体の写しを提出する。
論文出版 A, C 2ポイント/1報 第一著者としてアクセプトされた査読付論文について、該当論文の写しをCollege事務局に提出する。
なお、アクセプト後に未出版の時点では、アクセプトの通知と原稿の写しを提出する。
インターンシップ・海外留学 B, C, D, F 1ポイント/80時間以上160時間未満
2ポイント/160時間以上320時間未満
4ポイント/320時間以上480時間未満
ただし、時間は総実務時間とする
インターンシップや海外留学を行い、所定のレポート書式にその内容をまとめ、College事務局に提出する。

レポート書式:ダウンロード

TA(teaching assistant)従事 F, H 2ポイント/40時間以上80時間未満
4ポイント/80時間以上160時間未満
ただし、時間は総実務時間とする
TA業務を行い、所定のレポート書式(内容に関する設問は特になし)に担当教職員の確認をもらってCollege事務局に提出する。

レポート書式:ダウンロード

その他 上記以外のLSI Innovatorの卵として研鑽に値する活動を行い、実績として評価を希望する学生はCollege事務局にメールにてその旨を申告すること。 College運営委員会にて申告内容や実施期間等を総合的に判断し評価する。
例:特許出願、フォーラムの主催運営、イベントの企画運営、学振等フェローシップ取得、スタートアップ支援取得、等

College事務局 E-mail: info-college[at]knc.iir.isct.ac.jp
件名:その他の活動のポイント化希望

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